プリンシパル=エージェント関係(プリンシパル=エージェントかんけい、principal-agent relationship)[1]とは、行為主体Aが、自らの利益のための労務の実施を、他の行為主体Bに委任すること。このとき、行為主体Aをプリンシパル(principal、依頼人、本人)、行為主体Bをエージェント(agent、代理人)[2]と呼ぶ。
エージェンシー・スラック(agency slack)とは、エージェントが、プリンシパルの利益のために委任されているにもかかわらず、プリンシパルの利益に反してエージェント自身の利益を優先した行動をとってしまうこと。エージェンシー問題(エージェンシーもんだい、agency problem)[3]とは、プリンシパル=エージェント関係においてエージェンシー・スラックが生じてしまう問題のこと。
プリンシパル=エージェント理論(…りろん、principal-agent theory)[4]とは、経済学においては、プリンシパルがエージェンシー・スラックを回避するために、どのようなインセンティブ(誘因)をエージェントに与えれば良いのかについて、主として報酬を対象に考察する研究のこと。また、政治学においては、主として、プリンシパル=エージェント関係にありながらプリンシパルの利益に沿ってエージェントが行動している政治現象を、エージェントに対するインセンティブや監視の形態などから説明するアプローチのこと。
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