資本資産価格モデル(しほんしさんかかくモデル、英: Capital Asset Pricing Model、CAPM、シーエーピーエム、キャップエム)は、数理ファイナンスにおける数理モデルの一つ。ある資産の分散可能でないリスクが既に分かっていて、その資産をすでによく分散されたポートフォリオに組み入れる時に、要求されるリターンの理論的に適切な値(および、その資産の将来のキャッシュフローの期待値を見積もることができるならばその資産の価格)を決定するために用いられる。CAPMの公式は、市場の期待リターン、理論的にはリスクフリーな資産の期待リターンに加えて、資産の分散可能でないリスク(システマティックリスクまたは市場リスクとも呼ばれる)に対する感度を、金融業においてしばしばベータと呼ばれる数として、考慮に入れる。
このモデルは、ハリー・マーコウィッツによる分散投資と現代ポートフォリオ理論についての先行研究をもとに、Jack Treynor、ウィリアム・シャープ、John Lintner、Jan Mossinによってそれぞれ独立に考え出された。シャープは(ハリー・マーコウィッツとマートン・ミラーとともに)ファイナンス経済学へのこの貢献のために、ノーベル経済学賞を受けた。